みんなのためのの著作権教室

指導される方へ

著作権の基本を理解する

このコーナーでは、著作権の基本的内容に加え、教育現場で指導される先生方に留意いただきたい情報を、代表的な質問に対する回答形式でご紹介します。 見出しをクリックすると解説文が表示されます。

著作権って何?
−身近なルール。もっと知って、大切に−

最近、知的財産権(知的所有権)という言葉がよくクローズアップされていますが、これは大きく二つに分けることができます。一つは特許権、実用新案権、意匠権、商標権といった「産業財産権(工業所有権)」。そして、もう一つが文化的な創作物を保護の対象とする「著作権」で、これは著作権法という法律で保護されています。文化的な創作物とは、文芸、学術、美術、音楽などのジャンルに入り、人間の思想、感情を創作的に表現したもののことで、著作物といいます。また、それを創作した人が著作者です。

産業財産権(工業所有権)は、登録しなければ権利が発生しません。これに対して著作権は、権利を得るための手続きを何ら必要としません。著作物を創作した時点で自動的に権利が発生(無方式主義)し、以後、著作者の死後50年まで保護されるのが原則なのです。著作権に対する理解と保護の度合いは、その国の文化のバロメーターといわれています。それだけに、著作権とは何か、なぜ大切なのかをもっと知ることが必要です。

著作物にはどんな種類がある?
−子どもの絵も立派な著作物−

著作物を類別し、わかりやすく例示すると下の表のようになります。この場合、上手下手で権利が発生したり、しなかったりということはありません。人のマネでなく、その人の思想や感情が創作的に表現されていれば、たとえ3歳の子どもの絵も小学1年生の作文も立派な著作物なのです。

言語の著作物 論文、小説、脚本、詩歌、俳句、講演など
音楽の著作物 楽曲及び楽曲を伴う歌詞
舞踊、無言劇の著作物 日本舞踊、バレエ、ダンスなどの舞踊やパントマイムの振り付け
美術の著作物 絵画、版画、彫刻、漫画、書、舞台装置など(美術工芸品も含む)
建築の著作物 芸術的な建造物(設計図は図形の著作物)
地図、図形の著作物 地図と学術的な図面、図表、模型など
映画の著作物 劇場用映画、テレビ映画、ビデオソフト、ゲームソフトなど
写真の著作物 写真、グラビアなど
プログラムの著作物 コンピュータ・プログラム

このほかに次のような著作物もあります。

二次的著作物 上表の著作物(原著作物)を翻訳、編曲、変形、翻案(映画化など)し作成したもの
編集著作物 百科事典、辞書、新聞、雑誌、詩集など
データベースの著作物 編集著作物のうち、コンピュータで検索できるもの

なお、次にあげるものは著作物であっても、著作権がありません。

① 憲法そのほかの法令(地方公共団体の条例、規則も含む)
② 国や地方公共団体又は独立行政法人の告示、訓令、通達など
③ 裁判所の判決、決定、命令など
④ ①から③の翻訳物や編集物で国や地方公共団体又は独立行政法人の作成するもの

参考条文…著作権法第10条~第13条

著作者にはどんな権利がある?
−人格的な権利と財産的な権利の二つ−

著作者の権利は、人格的な利益を保護する著作者人格権と財産的な利益を保護する著作権(財産権)の二つに分かれます。

著作者人格権は、著作者だけが持っている権利で、譲渡したり、相続したりすることはできません(一身専属権)。この権利は著作者の死亡によって消滅しますが、著作者の死後も一定の範囲で守られることになっています。

一方、財産的な意味の著作権は、その一部又は全部を譲渡したり相続したりできます。ですから、そうした場合の権利者(著作権者)は著作者ではなく、著作権を譲り受けたり、相続したりした人ということになります。

著作者とは
著作者 著作物を創作した者をいう。
共同著作物については、共同で創作に寄与した者全員が一つの著作物の著作者となる。
法人著作(職務著作) 法人著作(職務著作) 次の要件を満たす場合には、法人等が著作者となる。
(1)法人等の発意に基づくもの
(2)法人等の業務に従事する者が職務上作成するもの
(3)法人等が自己の名義で公表するもの
(4)作成時の契約、勤務規則に別段の定めがないこと
著作者の権利
  • 著作者人格権

    公表権 自分の著作物で、まだ公表されていないものを公表するかしないか、するとすれば、 いつ、どのような方法で公表するかを決めることができる権利
    氏名表示権 自分の著作物を公表するときに、著作者名を表示するかしないか、するとすれば、実名か変名かを決めることができる権利
    同一性保持権 自分の著作物の内容又は題号を自分の意に反して勝手に改変されない権利
  • 著作権(財産権)

    複製権 著作物を印刷、写真、複写、録音、録画などの方法によって有形的に再製する権利
    上演権・演奏権 著作物を公に上演したり、演奏したりする権利
    上映権 著作物を公に上映する権利
    公衆送信権・伝達権 著作物を自動公衆送信したり、放送したり、有線放送したり、また、それらの公衆送信された著作物を受信装置を使って公に伝達する権利
    *自動公衆送信とは、サーバーなどに蓄積された情報を公衆からのアクセスにより自動的に送信することをいい、また、そのサーバーに蓄積された段階を送信可能化という。
    口述権 言語の著作物を朗読などの方法により口頭で公に伝える権利
    展示権 美術の著作物と未発行の写真著作物の原作品を公に展示する権利
    頒布権 映画の著作物の複製物を頒布(販売・貸与など)する権利
    譲渡権 映画以外の著作物の原作品又は複製物を公衆へ譲渡する権利
    貸与権 映画以外の著作物の複製物を公衆へ貸与する権利
    翻訳権・翻案権など 著作物を翻訳、編曲、変形、翻案等する権利(二次的著作物を創作することに及ぶ権利)
    二次的著作物の利用権 自分の著作物を原作品とする二次的著作物を利用(上記の各権利に係る行為)することについて、二次的著作物の著作権者が持つものと同じ権利

参考条文…著作権法第18条~第20条
参考条文…著作権法第21条~第28条

著作権の保護期間はどれだけ?
−著作者の死後50年までが原則−

著作権の原則的保護期間は、著作者が著作物を創作した時点から著作者の死後50年までです。

そのほかの例外的保護期間を合わせて表にすると下のようになります。

著作物の種類 保護期間
実名(周知の変名を含む)の著作物 死後50年
無名・変名の著作物 公表後50年
(死後50年経過が明らかであれば、そのときまで)
団体名義の著作物 公表後50年
(創作後50年以内に公表されなければ、創作後50年)
映画の著作物 公表後70年
(創作後70年以内に公表されなければ、創作後70年

死後、公表後、創作後の期間の計算は、期間計算を簡便にするため、死亡、公表、創作の翌年の1月1日から起算されます。 なお、保護期間中でもその著作権者の相続人がいないときは著作権は消滅します、

著作隣接権とは?
−実演家などに認められた権利−

著作物の創作者ではありませんが、著作物の伝達に重要な役割を果たしている実演家、レコード製作者、放送事業者、有線放送事業者に認められた権利が著作隣接権です。それぞれ下の表のような権利を持っています。

  • 著作隣接権

    (実演家の権利)

    氏名表示権 実演家名を表示するかしないかを決めることができる権利
    同一性保持権 実演家の名誉・声望を害するおそれのある改変をさせない権利
    録音権・録画権 自分の実演を録音・録画する権利
    放送権・有線放送権 自分の実演を放送・有線放送する権利
    送信可能化権 インターネットのホームページなどを用いて、公衆からの求めに応じて自動的に送信できるようにする権利
    商業用レコードの二次使用料を受ける権利 商業用レコード(市販用のCDなどのこと)が放送や有線放送で使用された場合の使用料(二次使用料)を、放送事業者や有線放送事業者から受ける権利
    譲渡権 自分の実演が固定された録音物等を公衆へ譲渡する権利
    貸与権など 商業用レコードを貸与する権利(最初に販売された日から1年に限る)。1年を経過した商業用レコードが貸与された場合には、貸レコード業者から報酬を受ける権利

    (レコード製作者の権利)

    複製権 レコードを複製する権利
    送信可能化権 実演家の場合と同じ
    商業用レコードの二次使用料を受ける権利 実演家の場合と同じ
    譲渡権 レコードの複製物を公衆へ譲渡する権利
    貸与権など 実演家の場合と同じ

    (放送事業者の権利)

    複製権 放送を録音・録画及び写真的方法により複製する権利
    再放送権・有線放送権 放送を受信して再放送したり、有線放送したりする権利
    送信可能化権 実演家の場合と同じ
    テレビ放送の伝達権 テレビジョン放送を受信して画面を拡大する特別装置(超大型テレビやビル壁面のディスプレイ装置など)で、公に伝達する権利

    ※有線放送事業者も放送事業者と同様な権利を持ちます。

    参考条文…著作権法第90条の2~第100条の5

  • 著作隣接権の保護期間
    実演 実演が行われたときから50年
    レコード レコードの発行(発売)が行われたときから50年
    放送又は有線放送 放送又は有線放送が行われたときから50年

    参考条文…著作権法第101条

  • キーワード
    実演家 俳優、舞踊家、歌手、演奏家、指揮者、演出家など実演を行う者。アクロバットや奇術を演じる人も含みます。
    レコード製作者 レコードに固定されている音を最初に固定した者。
    放送事業者 放送を業として行う者。NHK、民間放送各社、放送大学学園などが該当します。
    有線放送事業者 有線放送を業として行う者。CATV、音楽有線放送事業者などが該当します。
外国の著作物の保護は?
−著作権に国境はありません−

著作物は、国境を越えて利用されるため、世界各国は、条約を結んで、お互いに著作物や実演・レコード・放送などを保護し合っています。このような国際的な保護は、著作権は「ベルヌ条約」と「万国著作権条約」、著作隣接権は「実演家等保護条約」と「レコード保護条約」などによって行われています。我が国はいずれの条約にも加入しており、世界の大半の国と保護関係があります。

  ベルヌ条約 万国著作権条約
創設年度 1886年  1952年 
加入国数 168(我が国の加入年、1899年)  100(我が国の加入年、1956年) 
正式名称 文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約 万国著作権条約
特色
  • 内国民待遇
  • 無方式主義
  • 遡及効
  • 条約上保護すべき著作物=同盟国の国民の著作物及び同盟国で最初に発行された著作物
  • 最低保護期間=死後50年
  • 内国民待遇
  • 無方式主義国の著作物であっても©表示によって方式主義国でも保護
  • 不遡及
  • 条約上保護すべき著作物=締約国の国民の著作物及び締約国で最初に発行された著作物
  • 最低保護期間=死後25年
  実演家等保護条約 レコード保護条約
創設年度 1961年  1971年 
加入国数 92(我が国の加入年、1989年)  78 (我が国の加入年、1978年) 
正式名称 実演家、レコード製作者及び放送機関の保護に関する国際条約 許諾を得ないレコードの複製からのレコード製作者の保護に関する条約

また、1994年には、WTO(世界貿易機関)設立協定が成立し、1995年1月1日から発効していますが、この附属書として、著作権を含む「TRIPS協定(知的所有権の貿易関連の側面に関する協定)」が添付されています。この協定は、著作権、特許、商標等の知的所有権の国際的保護のための規範や確保のための手段などを規定しており、著作権と著作隣接権とのいずれも対象にしています。我が国は、1994年12月に加盟していますが、2013年3月末現在、加盟国は159か国になっています。

さらに、1996年にWIPO(世界知的所有権機関)において、デジタル化・ネットワーク化の進展に対応した著作権保護の新たな枠組みとして「WIPO著作権条約」及び「WIPO実演・レコード条約」の2つの条約が策定されました。我が国は、「WIPO著作権条約」(2000年6月)、「WIPO実演・レコード条約」(2002年7月)に加入しています。

  TRIPS協定  WIPO著作権条約  WIPO実演・レコード条約 
創設年度 1994年  1996年  1996年 
加入国数 160(我が国の加入年、1994年)  92(我が国の加入年、2000年)  92(我が国の加入年、2002年) 
正式名称 知的所有権の貿易関連の側面に関する協定 著作権に関する世界知的所有権機関条約 実演及びレコードに関する世界知的所有権機関条約
特色
  1. ベルヌ条約の規定する保護内容を遵守
  2. コンピュータ・プログラム及びデータベースの著作権による保護
  3. コンピュータ・プログラム、映画及びレコード製作者の貸与に関する権利の付与
  4. 実演家、レコード製作者及び放送事業者の保護   
  1. コンピュータ・プログラムの保護
  2. 著作物以外のもので構成される編集物・データベースの保護
  3. 譲渡権
  4. 公衆への伝達権
  5. 写真の著作物の保護期間の拡大(死後50年以上)
  6. コピープロテクション解除等の禁止
  7. 権利管理情報の改変等の禁止 
  1. 実演家の人格権
    (生の音の実演・レコードに録音された実演)
  2. 実演家の生演奏に係る複製権、放送権、公衆への伝達権
  3. レコードに係る実演家・レコード製作者の経済的権利
  4. コピープロテクション解除等の禁止
  5. 権利管理情報の改変等の禁止 

※条約の加入国数は2014年11月現在。

  • キーワード
    内国民待遇 外国人の著作物を保護する場合に、自国の国民に与えている保護と同等の保護を与えること。
    無方式主義 著作権は著作物を作った時点で自動的に発生し保護されるとする原則。我が国を初めほとんどの国が採用。
    方式主義 著作権は登録、作品の納入、著作権表示などをしないと保護されないとする原則。
    遡及効 条約発効前に創作された著作物でも、保護期間内のものであれば、条約が適用されること。
    不遡及 条約発効後に発行又は創作された著作物のみに条約が適用されること。Ⓒ表示方式主義の国で著作権の保護を受けるために万国著作権条約で定められた著作権の存続を示す表記。Ⓒの記号(CはCopyrightの頭文字)、著作権者の氏名、最初の発行の年の三つを一体として表示する。
  • 外国の著作物の利用

    外国の著作物を利用する場合には、それが保護期間内にあるかどうかを調べることが大切ですが、いくつかの例外があります。

    1. 保護期間の相互主義
      我が国より保護期間の短い国の著作物は、その相手国の保護期間だけ保護されます。
      参考条文…著作権法第58条
    2. 保護期間の戦時加算
      平和条約において、条約関係にある連合国の国民が第2次世界大戦前又は大戦中に取得した著作権については、通常の保護期間に戦争期間を加算します。1941年12月8日から、対日平和条約発効の前日までの日数(主な国は3794日)を加算しなければなりません。
      また、翻訳権の保護期間については、上記の戦時加算に、さらに6か月を追加します。以上のほか翻訳権などに関してもいろいろな例外がありますから、外国の著作物を利用するときは、十分に調べる必要があります。
著作物の正しい使い方は?
−著作物の利用は手順に従って−

著作物を利用する場合は原則として著作権者の許諾が必要です。許諾が必要かどうかは下のような手順に従って調べてください。

著作物利用の手順

以下の4つのステップで利用可否や許諾取得の必要性を判断します。

日本で保護されているものか?
著作物が自由に使える場合は?
−定められた条件で自由利用−

著作権法では、一定の場合に、著作権を制限して著作物を自由に利用することができることになっています。しかし、著作権者の利益を不当に害さないように、また著作物の通常の利用が妨げられないように、その条件が厳密に定められています。

なお、著作権が制限される場合でも、著作者人格権は制限されません。

自由に使える条件は、以下のとおりです。

  • 私的使用のための複製(著作権法第30条)

    自分自身や家族など限られた範囲内で利用するために著作物を複製することができる。ただし、デジタル方式の録音・録画機器等を用いて著作物を複製する場合には、著作権者に対し補償金の支払いが必要。コピープロテクション等技術的保護手段の回避装置などを使って行う複製については、私的複製でも著作権者の許諾が必要。私的使用目的の複製であっても、違法著作物であることを知りながら音楽又は映像をインターネット上からダウンロードする行為は、権利制限の対象から除外される。

  • 付随対象著作物の利用(著作権法第30条の2)

    写真の撮影、録音、録画にあたって、撮影等の対象とする事物から分離することが困難なため、いわゆる「写り込み」の対象となる他の著作物(付随的対象著作物)は、当該創作に伴って複製または翻案することができる。ただし、著作権者の利益を不当に害することとなる場合を除く。

  • 検討の過程における利用(著作権法第30条の3)

    著作権者の許諾を得て、又は著作権法上の裁定を受けて著作物を利用しようとする者は、その利用を検討する過程においては、必要と認められる限度で当該著作物を利用することができる。

  • 技術の開発又は実用化のための試験に用いるための利用(著作権法第30条の4)

    録音・録画機器などの著作物利用のための技術の開発又は実用化のための試験に用いる場合は、必要と認められる限度で利用することができる。

  • 図書館での複製・自動公衆送信(著作権法第31条)

    法令で定められた図書館などに限り、利用者に対し複製物の提供を行う事ができる。国立国会図書館においては、所蔵資料の劣化や損傷を避けるため、入手後直ちにデジタル複製することができる。また、絶版等の理由で一般に入手することが困難な資料をデジタル複製し、その複製物を用いて図書館等へ自動公衆送信を行うことができる。

  • 引用(著作権法第32条)

    自分の著作物に引用の目的上正当な範囲内で他人の著作物を引用して利用することができる。

  • 教科書への掲載(著作権法第33条)

    学校教育の目的上必要と認められる限度で教科書に掲載できる。ただし、著作者への通知と著作権者への一定の補償金の支払いが必要。

  • 拡大教科書の作成のための複製(著作権法第33条の2)

    教科書に掲載された著作物は、視覚障害、発達障害その他の障害により、教科書に掲載された著作物を使用することが困難な児童又は生徒の学習の用に供するため、当該教科書に用いられている文字、図形等の拡大その他必要な方法により複製することができる。なお、営利目的で当該拡大教科書を販売する場合には、著作権者に一定の補償金の支払いが必要。

  • 学校教育番組の放送など(著作権法第34条)

    学校教育番組において著作物を放送することができる。また、学校番組用の教材に著作物を掲載できる。ただし、著作者への通知と著作権者への補償金の支払いが必要。

  • 学校における複製など(著作権法第35条)

    教育を担任する者及び授業を受ける者は、授業の過程で利用するために著作物を複製することができる。また、当該授業が行われる場所以外の場所で同時に授業を受ける者に対して公衆送信を行うことができる。ただし、著作権者の利益を不当に害することとなる場合を除く。

  • 試験問題としての複製など(著作権法第36条)

    入学試験や採用試験などの問題として著作物を複製し、又は公衆送信を行うことができる。ただし、営利目的のための利用は、著作権者への補償金の支払いが必要。できる。

  • 視覚障害者等のための複製(著作権法第37条)

    公表された著作物を点字によって複製することができる。また、パソコンによる点字データの保守やネットワーク通信による送信ができる。

    視覚障害者その他視覚による表現の認識に障害がある者の福祉に関する事業を行う者で政令で定めるものは、公表された著作物で、かつ、視覚により表現が認識される方式で公衆に提供されている著作物を、視覚障害者等が必要と認められる限度や方式により複製・自動公衆送信することができる。

  • 聴覚障害者等のための複製(著作権法第37条の2)

    聴覚障害者その他聴覚による表現の認識に障害がある者の福祉に関する事業を行う者で政令で定めるものは、公表された著作物で、かつ、聴覚により表現が認識される方式で公衆に提供されている著作物を、聴覚障害者等が必要と認められる限度や方式により複製・自動公衆送信することができる。

  • 非営利目的の演奏など(著作権法第38条)

    営利を目的とせず、観客から料金をとらない場合は、著作物の上演・演奏・上映・口述(朗読)などができる。ただし、出演者などは無報酬である必要がある。

  • 時事問題の論説の転載など(著作権法第39条)

    新聞、雑誌に掲載された時事問題に関する論説は、転載禁止の表示がなければ、ほかの新聞、雑誌に掲載したり、放送したりできる。

  • 政治上の演説などの利用(著作権法第40条)

    公開の場で行われた政治上の演説や陳述、裁判での公開の陳述は、ある一人の著作者のものを編集して利用する場合を除き利用できる。

  • 時事事件の報道のための利用(著作権法第41条)

    時事の事件報道の場合は、事件を構成し、又は事件の過程で見聞きされる著作物を利用できる。(名画の盗難事件を報道するためにその絵の写真を新聞に載せるような場合など)

  • 裁判手続などにおける複製(著作権法第42条)

    裁判の手続のためや、立法、行政上の内部資料として必要な場合もしくは特許、意匠、商標、実用新案、薬事に関する審査等の手続きのためには、著作物を複製することができる。ただし、著作権者の利益を不当に害することとなる場合を除く。

  • 情報公開法による開示のための利用(著作権法第42条の2)

    情報公開法や情報公開条例により開示する著作物を複製したり、再生したりすることができる。

  • 公文書管理法による保存のための利用(著作権法第42条の3)

    国立公文書館の館長等は、公文書管理法や公文書管理条例により歴史公文書等の保存を目的とする場合には、必要と認められる限度で当該著作物を複製することができる。また、著作物を公衆に提供し、又は提示を目的とする場合には、必要と認められる限度で当該著作物を利用することができる。

  • 国立国会図書館法によるインターネット資料の複製(著作権法第42条の4)

    国立国会図書館館長は、インターネット資料を収集するために必要と認められる限度において、インターネット資料に係る著作物を国立国会図書館で使用するための記録媒体に記録することができる。

  • 翻訳、翻案等による利用(著作権法第43条)

    私的使用のための複製、教科書への掲載、学校教育番組の放送、学校における複製、視聴覚障害者のための複製、等に該当する場合には、当該著作物の利用のみならず、その翻訳、編曲、変形、翻案としての利用も同様に認める。

  • 放送などのための一時的固定(著作権法第44条)

    放送事業者などは、放送のための技術的手段として著作物を一時的に固定することができる。

  • 美術の著作物などの所有者による展示(著作権法第45条)

    美術の著作物又は写真の著作物などの原作品の所有者は、その原作品を展示できる。

  • 公開の美術の著作物などの利用(著作権法第46条)

    建築物や公園にある銅像などは写真撮影したり、テレビ放送したりすることができる。

  • 展覧会の小冊子などへの掲載(著作権法第47条)

    展覧会の開催者は、解説、紹介用の小冊子などに、展示する著作物を掲載できる。

  • インターネット・オークション等の商品紹介用画像の掲載のための複製(著作権法第47条の2)

    インターネット・オークション等で美術品や写真を出品する際、商品紹介のための画像掲載について、著作権者の利益を不当に害しないための政令で定める措置を講じることを条件に、著作物を複製・自動公衆送信することができる。

  • プログラムの所有者による複製など(著作権法第47条の3)

    プログラムの複製物の所有者は、自ら電子計算機で利用するために必要と認められる限度でプログラムを複製、翻案することができる。

  • 保守・修理のための一時的複製(著作権法第47条の4)

    記録媒体を内蔵する機器の保守・修理を行う場合、記録されている著作物のバックアップのために一時的に複製することができる。

  • 送信障害の防止等のための複製(著作権法第47条の5)

    インターネット・プロバイダ等のサーバー管理者は、ミラーリング(アクセス集中による送信遅滞等の防止)、バックアップ(障害発生時の復旧)、キャッシング(送信の中継の効率化)等の目的で、必要と認められる限度において、当該著作物を複製することができる。

  • インターネット情報検索サービスにおける複製(著作権法第47条の6)

    インターネットによる情報検索サービスを行う事業者は、当該サービスを提供するために必要と認められる限度において、著作物を複製・自動公衆送信することができる。但し、著作権者が情報収集されることを拒否している場合は当該情報は収集できず、また、違法著作物であることを知った場合には、その提供を停止しなければならない。

  • 情報解析のための複製(著作権法第47条の7)

    コンピュータを使った情報解析のために、必要と認められる限度において、著作物を複製することができる。

  • コンピュータにおける著作物利用に伴う複製(著作権法第47条の8)

    コンピュータを利用する際、情報処理の過程で行われるデータの蓄積(複製)について、必要と認められる限度で著作物を複製することができる。

  • インターネットサービスの準備に伴う記録媒体への記録・翻案(著作権法第47条の9)

    インターネットサービスで情報を提供する際、より円滑かつ効率的に情報を提供するために、サーバーなどの記録媒体にデータを保存、又は翻案することができる。

  • 複製権の制限により作成された複製物の譲渡(著作権法第47条の10)

    図書館などでの複製、引用、等により複製が認められた著作物は、その複製物を譲渡して公衆に提供することができる。

著作物を無断で使うと?

−著作権侵害・罰則など−

  • 権利の侵害

    著作権のある著作物を著作権者の許諾を得ないで無断で利用すれば、著作権侵害となります。ただし、許諾なく使える場合に該当するときは、無断で利用しても著作権侵害にはなりません。

    また、著作者に無断で著作物の内容や題号を改変したり、著作者が匿名を希望しているのに著作物に勝手に本名をつけて発行したりすれば、著作者人格権侵害となります。

    さらに、無断複製物であることを知っていながら当該複製物を頒布(有償か無償かを問わず、複製物を公衆に譲渡・貸与することをいう)したり、頒布の目的で所持する行為や、著作物に付された権利者の情報や利用許諾の条件等の権利管理情報を故意に改変する行為なども権利侵害となります。

  • 民事上の請求

    上記のような権利侵害の事実があるときは、権利者は侵害をした者に対し次のような請求をすることができます。こうした請求に当事者間で争いがある場合には、最終的には裁判所に訴えて実現してもらうことになります。

    1. 侵害行為の差止請求
    2. 損害賠償の請求
    3. 不当利得の返還請求
    4. 名誉回復などの措置の請求
  • 罰則

    著作権侵害は犯罪であり、被害者である著作権者が告訴することで侵害者を処罰することができます(親告罪)。著作権、出版権、著作隣接権の侵害は、10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金、著作者人格権、実演家人格権の侵害などは、5年以下の懲役又は500万円以下の罰金などが定められています。

    また、法人などが著作権等(著作者人格権を除く)を侵害した場合は、3億円以下の罰金となります。

    さらに、平成24年10月の著作権法改正により、私的使用目的であっても、無断でアップロードされていることを知っていて、かつダウンロードする著作物等が有償で提供・提示されていることを知っていた場合、そのサイトから自動公衆送信でデジタル録音・録画を行うと、2年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金が科せられることになりました。

    なお、「懲役刑」と「罰金刑」は併科することができます。