みんなのためのの著作権教室

こんな時の著作権

③インターネットを利用するときの著作権

学習のポイント

便利なインターネットですが、著作権について正しく理解した上で、利用することが必要です。 特に違法コピーされた著作物を「そうだと知りつつ」ダウンロードして録音・録画することは違法ですから、ぜったいにやめましょう。

ケース1自分のブログでほかの人の作品を紹介する

個人のホームページやブログであっても、他人の著作物を許可なく掲載することは禁じられています。

ケース2メールの顔文字には著作権がある?

誰でも記号を組み合わせて作ることができる顔文字には、著作権がないと考えられています。

ケース3ほかのホームページの記事を自分のサイトに掲載する

ホームページやそこに掲載されている記事や写真にも著作権があります。引用するときはルールを守る必要があります。

ケース4インターネットの無料本屋さんは違法ではない?

著作権の保護期間が終了した文学作品を、インターネット上で公開しているホームページがあります。

ケース5違法コピー商品をなぜ「海賊版」とよぶのだろう?

海賊版と知りながら、違法コピーされた音楽や映画などをダウンロードすると、罪に問われることがあります。

ケース1 自分のブログでほかの人の作品を紹介する

毎日ブログを更新しているチヨちゃん。フォローしてくれる人も増えてきました。今日は、自分のお気に入りの詩を紹介しようと思っていますが、著作権者の許可は必要でしょうか。個人のブログですし、お金をとって見せているわけではないので、「私的使用のための複製」にあたるのではないでしょうか。

ブログやホームページ、SNSなどに自分以外の人の作品を掲載するには、著作権者の許可が必要です。

自分の作品であれば、自分のホームページで自由に紹介することができます。しかし、その内容が他人の作品(著作物)だとしたら、その人に無断でホームページに載せることはできません。ホームページに作品を紹介するということは、著作権でいう「複製(コピー)」にあたると考えられるからです。

個人で楽しむための複製は許されてはいますが、ホームページに載せるということは、世界中にその内容が発信されることになるので、個人で楽しむという範囲にはならなくなってしまいます。ですから、作品の著作権者に無断でホームページに載せることは、許されていません。これはホームページだけでなく、ブログやSNSでも同じです。

個人のブログやホームページ、SNSなどで、アニメのキャラクターや、コピーした写真、好きな歌手の歌詞などをのせているのを目にすることがあります。これらの作品は、他人の著作物ですから掲載するには作品の著作権者に許可をもらう必要があるのです。

また、作品の著作権者から掲載の許可をもらった場合でも注意が必要です。掲載する作品は、元あったそのままの状態を保たねばなりません。著作権者には「その作品を勝手に変えられない権利(同一性保持権)」があるからです。たとえば、著作権者に無断で、写真の一部分だけを切り取って掲載することはできません。

ケース2 メールの顔文字には著作権がある?

マンガからお気に入りのキャラクターをカラーコピーしてシールにしたり、クリア下敷きに入れて持ち歩いているチヨちゃん。 もっと多くの人にこのマンガの面白さを知ってもらいたくて、コピーをお友達にあげたいのですが。

顔文字には著作権はありません。安心して使うことができます。 ただし、アスキーアートのように複雑に構成された作品には著作権が発生する場合があります。

メールの顔文字は、電子メールを使うみなさんにとっては、なくてはならないものになっていますね。メールの文章に顔文字をつけることによって、より気持ちが伝わるので、使う人も多いと思います。

その顔文字ですが、ふつう著作権はありません。 顔文字には、( )、*、十、三、<>、…、X、 1、/ などの、だれが使っても同じ、標準的な記号が使われています。そのため、作られるものには限りがあります。

だれでも記号を組み合わせて顔文字を作ることができるので創作性があるとはいえませんし、どこのだれが最初に作ったものなのかもわからないので、著作権はないのです。安心して使ってください。

ただ、記号や文字を複雑に配置して、より大きな絵を描くアスキーアートなどでは、著作者は著作権を主張することができます。インターネット上にはこうした複雑なアスキーアートも多く見受けられますが、その中には1個人ではなく、複数の人たちの手で改良を加えて作られた作品も多く、それらは「不特定多数の共同創作」となり、著作者の特定は困難です。そうした作品については、インターネットのコミュニティの中で、作者の「暗黙の許諾」があるという共通認識のもとに、自由に使ってよいという雰囲気があるのも確かです。

著作者が特定できないアスキーアートのキャラクターを、個人あるいは会社が商標登録しようとして、大きな反発を受けたこともありました。

また、有名なキャラクターなどをアスキーアートで作成して発表する場合には、キャラクターの著作権者の許可が必要です。

ケース3 ほかのホームページの記事を自分のサイトに掲載する

効率的に情報を集めるために欠かせなくなったホームページ。さまざまな情報を無料で楽しむことができます。 こうしたホームページ内のコンテンツには著作権があるのでしょうか。

個々のホームページそのものも、そこに掲載されている写真や文章なども著作物として著作権が保護されます。

著作物とは、「思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」のことを言います。ホームページがこの定義にあてはまるのであれば、ホームページは著作権で保護されます。 また、ホームページには、「文章」「イラスト」「写真」などさまざまなものが紹介されています。もちろん、このような個々の作品も著作物ですので、それぞれに保護されることになります。

では、ほかのホームページの記事を自分のホームページに掲載することはできるのでしょうか。

ほかのホームページの記事の一部を引用するには

ほかの著作物と同じようにホームページでも、著作権者の許可なくほかの著作物からの引用が許されます。ただし、次のような条件を満たす必要があります。

  • 自分で作成したオリジナルな記事が、内容においても分量においても引用される記事よりも主になっていること
  • 引用することに必要性があること。たとえば自分の考えを正しく表現するために役立つ場合など
  • 引用されている部分が、カギかっこで囲われていたり、>マークで始まったりしていて、引用であることがはっきりとわかること
  • 引用元がどのホームページであったのか記載すること
  • 引用する際に一部を変更したり削除したりしないこと
 
記事をまるごとコピーして無断で掲載することはできません。

まるごとコピーするのは「引用」ではなく、「転載」とみなされるので著作者の許可なしに行うことはできません。まる写しでなくても、記事のほとんどがほかのウェブサイトからもってきたもので、自分のコメントなどがわずかしかない場合も、同様です。

ケース4 インターネットの無料本屋さんは違法ではない?

インターネット上には、無料で有名な文学作品を読むことができるウェブサイトがあります。小説など文学作品にも著作権があるはずなのに、どうして無料で公開しているのでしょうか。

著作権の保護期間が過ぎている文学作品であれば、だれでも自由に使うことができます。

日本では、著作権の保護期間は、作品ができあがった時から始まって、その作者が亡くなった翌年の1月1日から50年とされています。その保護期間が過ぎた著作物は、国民みんなの共通の文化的な財産となり、だれでも自由に使うことができます。

ですから、平安時代や江戸時代の作品はもちろん、明治時代の夏目漱石や森鴎外の作品、みなさんもよく知っている「銀河鉄道の夜」「風の叉三郎」などで有名な宮沢賢治の作品も自由に使ってよいことになります。たとえば、宮沢賢治は1933年に亡くなっていますので、その著作権は1983年12月31日まで保護され、翌1984年1月1日から、自由に使えるようになりました。

アメリカでもイギリスでも、優れた文芸作品をみんなで守る運動が盛んです。

もちろん日本でもそのような考えに立って、著作権の保護期間が過ぎた作品を集めて公開しているホームページが作られています。そこにアクセスすると、著作権の保護期間が過ぎた文芸作品を無料で読むことができるのです。

ケース5 違法コピー商品をなぜ「海賊版」とよぶのだろう?

音楽CDや映画のDVDなど、違法にコピーして安く販売している商品を海賊版と呼ぶのはなぜでしょう。 また、最近では違法コピーされた映画や音楽を、インターネットでダウンロードできることがありますが、利用するのは違法でしょうか。

海賊版を買ったり、ダウンロードするのはやめましょう

音楽や映画、書籍、ソフトウェアなどの著作物を、権利を持っている会社などの許可を取らずに、無断でコピーして、販売されたり取り引きされたりしている非合法の製品のことを「海賊版」と言います。

武力などの非合法な手段を使って物品などを略奪する「海賊」になぞらえて、このような無断で作られた製品を「海賊版」というようになったようです。

海賊版はふつう正規品より安く(ときにはタダで)取り引きされますが、これは権利を持っている人に支払われるべき使用料などを支払わずに作られるためです。

海賊版を作ることはもちろん違法な行為ですが、海賊版を買ったりダウンロードしたりすることも、こうした違法な行為を手助けすることになります。偽ブランド品を購入しても、罪に問われることはありませんが、海賊版の音楽や映画を、海賊版であると知っていながらダウンロードすることは、刑罰の対象になる場合がありますので、ぜったいにやめましょう。

(参考)

違法ダウンロードが刑罰の対象になることについて知っておきたいこと

このコーナーのまとめ

  • 個人のホームページやブログ、SNSであっても、他人の著作物の掲載は、「私的使用のための複製」とはみなされません。
  • メールの顔文字には、著作権はありません。
  • ホームページにも著作権はあります。ほかのホームページに掲載されている記事を自分のホームページに引用するときは、ルールを守る必要があります。
  • 著作権の保護期間が終了した文学作品は、インターネット上で自由に読むことができます。
  • 海賊版と知ったうえで違法コピーをダウンロードすると刑罰の対象になります。

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ブログやホームページ、SNSなどに自分以外の人の作品を掲載するには、(著作権者)の許可が必要です。

ほかのホームページの記事の一部を自分のホームページで引用する場合、自分で作成したオリジナルな記事が、内容においても分量においても引用される記事よりも主になっていることなどの条件を満たす必要があります。 ほかのホームページの記事をまるごとコピーするのは「引用」ではなく、(転載)とみなされるので著作者の許可なしに行うことはできません。

インターネット上では著作権の(保護期間)が過ぎた文芸作品を無料で読むことができるウェブサイトもあります。